医学部門は附属病院重粒子線医学センターでがんの重粒子線治療を担当する医師を中心とした部門です。重粒子線治療の治療成績の解析、併用療法を含めた新規治療プロトコールの開発など、重粒子線治療の対象疾患の拡大や治療成績の向上に向けたさまざまな取り組みをしています。X線による放射線治療を担当する医学系研究科腫瘍放射線学教室をはじめ、さまざまな院内の診療科、院外の施設と連携し研究を進めています。研究的視点、技術を持った放射線腫瘍医の育成も行なっています。
生物学部門は、培養細胞や動物を用いてX線または重粒子線の放射線照射実験を行い、細胞レベルや生体内に誘発されるさまざまな現象を解明し、より高度で効果的な治療および宇宙環境利用を目指して研究を行っています。これらの研究に精通した放射線治療および宇宙放射線影響に関する生物研究者の育成もこの部門の重要な目的です。
物理学部門は、重粒子線治療を継続的に安定して確実に遂行するために、施設設備の維持管理や治療装置の品質管理をはじめ、患者治療計画の立案や検証等において重要な役割を担っています。また、重粒子線治療における技術的な課題に対応し、更なる発展や高度化を目指した研究・開発を行っています。さらに、大学院医学系研究科や理工学府と協力しながら、重粒子線医学物理学に関する研究を通して大学院生の研究教育を行っています。